
ある日、こんな言葉を言われました。
「新規をたくさん担当してたんだから、指名が入るのは当たり前でしょ。」
確かに理屈としてはそうかもしれない。
でも、1回目に来て、また来ようと思ってくれたこと。その選択は当たり前じゃない。
お客様の選択は、嘘をつかない。技術の答えは、やっぱりそこにしかないと思っています。
「あなたのカットは、変だ。」
ある美容師に、そう言われました。
当時は他の美容師の技法も取り入れながら、まだ完成途中でもありましたので、その意図も理解しています。
ハサミを握ってきた。
パリで見識を広げてきた。
それでも——
「変だ」
その一言は、刺さりました。
でも、少し落ち着いてから、考えました。
私はセニングシザーをほとんど使いません。シザー一本での技法を使っています。
パリのシャンゼリーゼで出会った、70歳を超えた美容師ジェロウムの手元から影響を受けたやり方です。
当時は、その感覚を自分なりに解釈しながら技術に取り入れていた部分もあります。
今振り返ると、未熟だった点や、もっと丁寧に向き合うべきだったと思う部分もあります。
それでも、リピートが答えを出していました。
再び指名してくださるお客様が何人もいたことも事実です。
「変だ」と言った人は、それについての説明はしなかった。
技術に唯一の正解はないと、私は思っています。
同じ「すく」という言葉でも——
セニングシザーとシザーカットでは、髪の重みの残り方が違う。仕上がりの質感が、別物になる。
どちらが正しいかではなく——
そのお客様の髪に、何が合っているか。
それだけだと思っています。
最終的に正解を決めるのは——
批判した美容師でも、私自身でもなく——
来てくれたお客様です。
“変だ”と言われた日もありました。
でも——
また来てくださるお客様がいた。
それが、私にとっての答えでした。
技術に唯一の正解はない。
大切なのは、
目の前のお客様に合っているかどうか。
今は、そう思っています。
当サロンでは、静かに過ごしたい方にも心地よくお過ごしいただける空間づくりを大切にしています。
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なぜ、静かな美容室をつくったのか
ある美容師に言われた言葉が、ずっと頭に残っている。「技術中に話しかけないのか。客は物じゃなく人だ。会話できないなら客はつかない。君のためを思って言う。美容師を辞めた方が、君の幸せのためだ。」
自販機の下の小銭を探していた美容師
ホットペッパービューティーで新規のお客様をどんどん集め、数をこなして売上を上げていく。それは美容室として正しいやり方の一つです。 でも、私には適合しない。
髪と、美容室のこと
